演習のタイトルは、上記のようになっていますが、これはラテンアメリカのことだけをや る、
 あるいは、ラテンアメリカを中心にする、ということではありません。念のため。
 


★2013年(冬学期)
前期のゼミの最後に説明したように、出席者予定者の皆さんが共通に関心をもてる本の一章あるいは論文などを適宜ピックアップして読んでいくことにします。
手始めは、要望のあった下記の2冊のイントロおよびいくつかの章を読むことにします。第一回のゼミのときに本を持参しますから、出席者は必要部分をコピーするようにしてください。10月1日にゼミをやります


(1) The Social Life of Things. Arjun Apadurai,ed., Cambridge UP. 1986
(2) The Empire of Things. Fred Myers, ed., School of American Research Press, 2001.


★2011年(冬学期)

前期のゼミの最後に簡単に説明したように、後期は、現代日本文化の諸側面について英語で書かれた論文を読みます。受講者それぞれの立場から、批判的に読むことによって、文化を研究することの可能性と難しさについて学ぶことが目的です。 複数のテキストから論文を選びますので、テキストを購入する必要はありません。こちらで用意するマスターコピーから各自、コピーしてもらいます。

前学期と同様に、文化人類学を専門に勉強していなくても、現代日本の文化についての人類学的研究に関心のある学生であれば、歓迎します。


10月4日の4時限目に第一回のゼミをやります。今学期は、私の全学教育の授業が5時限目にあるので、かならず時間内に終了します。学習相談などは、別の日にお願いします。以上、連絡まで


★2011年度(夏学期)
今学期は、2009年度と同じ、文化人類学の入門的テキストを使って、現在の標準的な文化人類学のコモンセンスを確認してみたいと思います。私が大学生だった頃とは、取り上げられているトピックはずいぶん変わりましたが、では文化人類学的アプローチも変わったのでしょうか、変わっていないのでしょうか。

入門的テキストですので、文化人類学を専門としない学生でも理解できます。他の分野の研究をしているけれど、文化人類学についても概観的知識を得たいという人も歓迎します。


テキストは、
Joy Hendry, Sharing Our Worlds: An Introduction to Cultural and Social Anthropology. 2nd edition. New York University Press, 2008.  
受講予定の人は、4月の開講前に、各自、テキストを入手しておいてください。

ゼミの時間は、これまでの火曜日3時限ではなくて、
火曜日4時限ですので、間違わないように。
ゼミの開講は、4月12日ではなくて、
4月19日です。これも間違わないように。


★2010年度(冬学期)
今学期は、特定のテクストを使用するのではなく、受講者の希望にそったかたちで、さまざまな論文を読んでみるという作業をしてみたいと思います。最初の数回分の論文は、こちらで用意します。それ以降の論文については、初回のゼミの際に参加者と相談したいと思います。初回は、10月5日(火曜)です。


★2010年度(夏学期)
今学期は、以前に使用したことのあるものですが、下記のテキストを使用します。Stuart Hallが編集した、Cultural Studiesの定評ある教科書です。表象をめぐるさまざまなトピックが扱われており、人類学や社会学などで、そうしたテーマを研究したい学生には、必読 書と言えるでしょう。参加予定者は、早めにテキストを手配し、読み始めておいてください。開講日については、追って、このサイトで予告します。


Stuart Hall, ed. Representation: Cultural Representations and Signifying Practices. Sage Publications. 1997.


★2009年度

今学期は、出席者と相談の上でテキストを選定したいと思います。もし特段の希望がない場合には、初めての試みですが、
文化人類学の標準的な教科書(英語)を読んでみるということを考えています。
開講は、4月14日(火曜)。もし曜日が都合が悪いという受講者が多ければ、相談の上、別の曜日と時間に移すことも可能かも
しれません。


★2008年度(夏学期)

今学期は、昨今、いろいろな方面からの介入がかまびすしい、物質文化(material culture)というかモノ(objects / things)というか物質性(materiality)というか、というあたりについて、考察します。私個人には、研究上、関心のある特定の文脈があるのですが、それはそれとして、いまなぜそうした問題について考える意味があるかを焦点化して、議論をしてみたいと思います。とりあえず「資源」とかいう言葉は、あまり出てこないだろうと予想しています。
メインテキストとしては、下記の論集を指定します。それ以外の論文なども教材とする可能性がありますが、それについてはゼミのなかで指示します。出席予定者は、あらかじめテキストを入手し、イントロぐらいは目を通して、最初のゼミに備えてください。
曜日については、本年度は火曜の3限にもどります。しかし後期はまた、(私の全学教育と時間が重なりますので)変更の可能性がありますが、このテキストは前期で終わります。 
開講日については、後日、掲示板で and/or このページで通知します。

●開講は、4月15日(火曜)の3限

2008年3月10日記。

The Empire of Things: Regimes of Value and Material Culture. Fred Myers, ed.
School of American Reseasrch Press, 2001.


★2007年度(冬学期)

今学期は、いわゆる「質的研究」なるものを俎上に載せてみたいと思います。これは、人類学内部では、あまり聞かない言葉なのですが、社会学とか看護学とか、周辺の領域では、近頃よく目にする言葉です。そこには人類学を研究・実践する者として、真正面から考えてみるべき問題があるのでしょうか、どうなのでしょうか。その点について、日本語で書かれたいくつかの本を手がかりに勉強してみたいと思います。(一冊ずつ参加者に担当してもらうことになります)。

この作業は、ひょっとすると、調査をして論文を作成するとき、皆さんに直接的に役にたつのかもしれません。たたないのかもしれません。

すでに予告してありましたように、後期は曜日を変更します。いまの
ところ月曜5限を考えています。まず10月15日大学院棟205室で顔合わせをします。曜日などについては、まだ暫定的ですので、出席予定の人でこの時間が都合が悪い人がいましたら、できるだけ早く私にメールをください。ほかの人の都合がつけば、他の時間に移せるかもしれません。
(9月7日記)


2007年度(夏学期)

夏学期は、既に予告してありましたように、生命・生死・生殖などという領域で生じている急速な(主として科学技術的な)変化と、それにともなう(あるいは、ともないそこなっている)社会制度および「文化」の関係について、人類学的視点から検討してみることを目的としています。この領域は、人類学が(根底から考えるというラディカルなかたちで)貢献できる、あるいは、貢献しなければいけない重要な分野のひとつであると考えられます。
テーマは前半は、主として生殖医療をめぐって、後半は、生死全体をめぐって、ということになる予定です。しかしいずれにしても、生命とは、人間とは、という問題が核心にあることにかわりはありません。

テキストは、以下の2つを使用します。まず@を2章くらいずつまとめて読み、そののち、Aを基本的に1章ずつ読んでいくことにします。@のレジュメは、各章ひとりずつ、つまり各週2人ずつで担当してもらいます。日本語で短いので、関連文献をあたるなど各自工夫してレジュメを作成してください。

@ 上杉富之編『現代生殖医療:社会科学からのアプローチ』、世界思想社、2005。
A  Sarah Franklin and Margaret Lock, eds. Remaking Life & Death: Toward an Anthropology of the Biosciences, School of American Research Press, 2003.

ゼミの開始は、4月17日(火曜)3限 (@の序論を読んで来ること)。

(なお後期は、古谷の全学教育の時間割の都合上、火曜3限にはできないので、参加者の意向をきいて別の曜日・時間に移すことになりますが、この2冊は前期で終わる予定です)


2006年度(冬学期)

冬学期は、前期にひきつづいて、 Women Writing Culture (Ruth Behar and Deborah A. Gordon, eds. The University of California Press, 1996)を読み、それを読了したあと、Histories of Feminist Ethnography, Kamala Visweswaran, Annual Review of Anthropology, Vol.26.(1997),pp.591-621を読みます。

前期では、Landesの民族誌を人類学のなかに位置づけることが目的でしたが、後期では、その再評価そのもののコンテクストを理解するために、Feminist Anthropology およびFeminist Ethnographyへと視野を拡げて、人類学の無視されて来た側面を明らかにすると同時に、可能性について検討します。



★2006年度(夏学期

メインテキストは、以下の2冊です。
主旨は、(北米の先住民族と)ブラジルのアフリカ系宗教を調査して民族誌を書いた Ruth Landes(1908-91)という、当時は様々な理由から「周辺化」されてしまい、近年「先駆者」として新たに脚光を浴びている女性人類学者のモノグラフを読み、その「周辺性」と「先駆性」を具体的に確認したあと、その「先駆性」に注目する新たなコンテクスト(「女性性をフィーチャーした人類学」などなど)の意義を検討してみることです。Landesの「周辺性」と「先駆性」を十全に理解するためには、ブラジルの人類学、アフリカ系宗教研究というコンテクストの理解が不可欠ですが、残念ながらそれについては英語や日本語の文献はないので、ゼミのなかでの説明で補いたいと思います。まず(1)を読み、そのうえで(2)を読むという予定です。

(1) The CIty of Woman (Ruth Landes, University of New Mexico Press, reprint edition, 1994[1947])
(2) Women Writing Culture (Ruth Behar and Deborah A. Gordon, eds. The University of California Press, 1996)


また時間があれば、同時代に同様の対象を「独特のスタンスとスタイル」で描いた文献として、以下のものを参照できればと思っていますが、入手する必要はありません。
(3) 『ヴードゥーの神々』(ゾラ・ニール・ハーストン、新宿書房、1999)
(4) Divine Horsemen (Maya Deren, McPherson & Company, 1970[1953])


ブラジルのアフリカ系宗教についての、ほぼ唯一の意味ある日本語文献は、拙著『憑依と語り』ですが、これも買えとは言いません。だいいち高すぎます


★2005年度(冬学期)
とりあえずメインテキストを指定しておきます。履修予定の人は、それぞれテキストを準備しておいてください。
Painting Culture: The Making of an Aboriginal High Art (Fred R. Myers, Duke University Press, 2002)
関連する事柄は、すでにご承知のことと思いますが、拙著『異種混淆の近代と人類学』所収の論文でも扱われていますので、事前に目を通しておいてください。



2005年度(夏学期)
来学期のメインテキストを指定しておきます。履修予定の人は、それぞれテキストを準備しておいてください。
Yanomami:The Fierce Controversy and What We Can Learn From It. (Robert Borofsky, University of California Press, 2005)

余裕があるなら、この論争のきっかけとなった本、Darkness in El Dorado: How Scientists and Journalists Devastated the Amazon (Patrick Tierney, W.W.Norton & Company, 2000)をも読んでおけば、万全です。 (2月14日記)

ゼミの開始は、4月19日(火曜)の3限の予定です。


★2004年度(冬学期)
冬学期といっても、まだめちゃくちゃ暑い8月の初めにこれを書いているので、まるで実感はありません。といっても、8月16日から9月8日まで、ブラジル に行く予定ですので、10月に始まるゼミのためにテキストを指定しておかなければならないのだと誰も命じてはいませんが、やっぱりそれはそうでしょう。と いうわけで、夏学期のゼミの終わりの頃お見せしたテキストをやります。あれから目を通してみると、第1章は、あとからやった方が良いだろうかと思っていま す。やたらと幻惑的(衒学的)なので。イントロから、具体的な議論をしている章をやってから、ちょっと抽象的な方へ戻った方が良いかと。いずれにせよ、も う少し具体的な指示は、9月に戻ってから(忘れなければ)するつもりなので、またその頃、見てください。出席予定の人は、テキストは手配しておいてくださ い。
テキストは、
The Expediency of Culture: Uses of Culture in the Global Era. (George Yudice, Duke University Press, 2003)
 * YudiceのUの上にアクセントがあるのですが、このホームページでは、出せないようですので、悪しからず。


★2004年度(夏学期)
夏学期は、「消えてゆく」という語り口、そして「記憶する、想起する、忘却する」しかた、などなどをテーマとして、読み、考えてみます。そのなかではおそ らく、「近代」(modernity)は中心的なトピックとなると思われますが、それはなによりも、「近代」がそのような断絶的発展の特権的な語り口だか らということでしょう。しかし、忘却あるいは封印されたはずのものは、妙なかたちで「そこにある」ものでもあります。ではそれは、どのようなかたちで「あ り」、どのようなかたちで「蘇ってくる」のでしょうか?
メインテキストとしては、2冊読むことを考えています。
(1) Discourses of the Vanishing: Modernity, Phantasm,Japan.  (Marilyn Ivy, The University of Chicago Press, 1995)
これは、対象として日本を扱っています。柳田の『遠野物語』なども関係していますので、目を通しておくと有 益です。
(2) Tense Past: Cultural Essays in Trauma and Memory. (Paul Antze and Michael Lambek, eds. Routledge,1996)
★2003 年度(冬学期)
みなさんの希望なども勘案して色々考えましたが、暫定的な 提案として、つぎの二つのテキストを考えています(9 月7日段階:ブラジル独立記念日)。
(1)  Culture in the Market Place: Gender, Art, and Value in the American Southwest
      (Molly H. Mullin, Duke University Press, 2001)
(2)  The Death of Authentic Primitive Art and Other Tales of Progress
     (Shelly Errington, University of California Press, 1998)
これらは、art をテーマとしていますが、あくまでもゼ ミの議論の焦点は、 art という場において何が交渉されているのかという点にあります。参加予定者で意見(賛成も反対も)がありましたら、遅くとも9月14日くらいまでに メールで意思表示してください。9月15日には、テキストを決定して公表します。

★2003年度(夏学期)

とりあえず予備的情報を掲載しておきます(2月6日)。テキストが変更されることはありません。
前期は、indigenism すなわち、先住民族をめぐる問題を考えます。メインテキストは2冊、(1) The Origins of Indigenism: Human Rights and the Politics of Identity (Ronald Niezen, The University of California Press, 2003)、(2) Indigenous Movements, Self-Representation, and the State in Latin America (Kay B. Warren and Jean E. Jackson, eds, The University of Texas Press, 2003)。 どちらも出版されたばかりの本で、前者は、地域を限定せずに、しかも、法律的側面などと関連させつつこの問題を扱っています。後者は、ラテ ンアメリカ地域の「先住民族問題」についての論文集で、各地の事例が扱われています。受講予定者は、各自、新学期までに手配してください。テキストが間に 合わない場合も考えて、最初の2回くらいは、このトピックに関係する論文を読むかもしれません。 後日、情報を更新するかもしれませんので、ときおり チェックしてください。


★2002年度(冬学期)

まず注意事項。前期のゼミは9月17日(火曜)に再開します。
後期のゼミでは、いちおう2冊を読むことを予定しています。
@Through the Kaleidoscope:The Experience of Modernity in Latin America.Vivian Schelling,ed.
(Verso, 2000)AAnthropology with an Attitude:Critical Essays. Johannes Fabian,(Stanford University Press, 2001)。前者は、前期の延長線上にあるテーマを扱った論文集です。これによって、Garcia Cancliniの議論を、やや拡げたコンテクストに位置づけたいと思います。後者は、がらりと変ります。かの有名なTime and the Otherの著者の新著(論文集)を読むことによって、人類学の現在について考えてみたいと思います。(どちらについてもゼミではいくつかの章を 選択して取り上げることになりそうです)
ゼミ参加予定者は、できるだけはやく、各自でテキストを手配しておいてください。後期ゼミの開始日について は、テキストの入手状況などを考慮にいれて9月中には、掲示するつもりです。不明の点があれば、私に直接にメールをお願いします。  


★2002年度(夏学期)

前期のゼミでは、@まず文化について考察する際の重要な鍵概念のひとつ、 representationについての基礎的素養を確認するために、Stuart Hallが編集した Open Universityの教科書である Representation:Cultural Representations and Signifying Practices(Sage Publications,1997)を読むことから始めたいと思います。これは、狭義の「文化人類学」というよりは、カルチュラル・スタディーズの領域に 属すテキストですが、この本を読むことの目的は、カルチュラル・スタディーズについて学習するということではなく(それについては他のゼミでお願いしま す)、いまや、どのような専門分野であれ、文化について研究する際に共通の基盤となっているものを身につけるためです。言ってみれば、キャンバスの下塗り の作業ということができるでしょう。

Aその後、(以前にゼミで使ったテキストですが、受講者も入れ替わっていることですし)、
Nestor Garcia Cancliniの Culturas hibridas(1989) の英訳、 Hybrid Cultures: Strategies for Entering and Leaving Modernity (University of Minnesota Press,1995)を読むことにします。これを購読することの意味については、ここでは詳しく説明しませんので、拙書『異種混淆の近代と 人類学』を参照してください。なお今学期のゼミでは、取り上げませんが、参考文献として、彼の著書のうち Transforming Modernity (University of Texas Press,1993); Consumers and Citizens (University of Minnesota Press, 2001)を挙げておきますので、関心のある人は自習してください。

追記:後期は、もっと人類学的なことを取り上げようと思います。たとえば Stocking とか Fabianとか。



★2001年度(冬学期)

後期のゼミでは、globalizationとよばれているプロセスが文化的にどのような意味をもつ プロセスなのかについて検討することを予定しています。そこでは、どのような現象が生じているのかについて理解することにとどまらず、それが「文化」とい う概念についてのどのような再検討を要請するものなのかという点に注目したいと考えています。こうしたテーマについては、既に多くの研究が公刊されていま すが、とりあえずメインテキストとしては下記のものを使用します。このテキストを使用する理由は、それが他のものに比べて優れているからというよりも、し ばしば言及されるテキストであるということと、そこでの議論に含まれている問題を考察することが教育的価値をもつと考られるということにあります。メイン テキストを読了した後には、それに関連する学術雑誌所収の諸論文を読むことを予定しています。

メインテキスト
Modernity at Large: Cultural Dimensions of Globalization. Arjun Appadurai. University of Minnesota Press,1996.

●受講予定者は、各自メインテキストを入手しておいてください。 ゼミは、10月4日に開講します。


★2001年度(夏学期)

この演習は、文化人類学(ラテンアメリカの文化と社会)というタイトルがついていますが、けっしてラ テンアメリカのことだけをやるわけでも、文化人類学だけをやるわけでもありません。ですから、タイトルに惑わされず、各学期のテーマがどのようなものであ るのかに注意してください。ではなぜこのようなタイトルかというと、古谷がラテンアメリカをフィールドとして文化人類学をしているからということです。私 が何を研究しているかについて、その一端は、拙書『異種混淆 の近代と人類学』(人 文書院、2001)を参照してください。(註:人文書院のホームページ記載の章立てのうち、「ブラジル・モデルニズム」は、「ブラジル・モデルニズモ」 の、「カトゥキナの隣人立ち」は、「カトゥキナの隣人たち」の誤りです)
では、この演習が学期をこえて一貫して焦点化しようとしているのは何かというと、文化が争点となる界 面、文化的差異が構築される界面、文化的差異によって形成される界面です。つまり、わたしたちが生きている現代の世界において、文化がどのようなかたちで 存在し、どのようにして語られ、どのようにして使われ、どのような可能性を秘めているのか、というテーマについて考えたいということです。
前期は multiculturalismというテーマにそって文献を読んでいく予 定です。最初の数回は、こちらで用意した論文(コピー)を読んでいきます。その後は、下記の論文集をテキストとして使用しますので、履修者は、各自購入し ておくように。後期のテーマは、履修者と相談して決めます。

メインテキスト
    Multiculturalism: a critical reader. David Theo Goldberg, ed. Blackwell, 1994.

参考文献として、とりあえず日本語のものをいくつかあげれば:
『多文化主義・多言語主義の現在』 西川長夫・渡辺公三・ガバン・マコーマック編、人文書院、1997
『多文化主義のアメリカ』、油井大三郎・遠藤泰生編、東京大学出版会、1999
『〈複数文化〉のために』、複数文化研究会編、人文書院、1998
『マルチカルチュラリズム』、チャールズ・テイラー、ユルゲン・ハーバーマス他、岩波書店、1996


1999年度(夏学期)

メインテキスト

Indigenism: Ethnic Politics in Brazil. (Alcida Rita Ramos, University of Wisconsin Press,1999)


1998年度(冬学期)

メインテキスト

(1) Anthropological Locations: Boundaries and Grounds of Filed Science, (Akhil Gupta and James Ferguson,eds. Univ.of California Press, 1997)

(2) Culture, Power, History : Esplorations in Critical Anthropology. (Akhil Gupta and James Ferguson, eds.,Duke University Press, 1997).  


1998年度(夏学期)

1.主旨
 本年度前期は、まずアメリカの 文化人類学の成立と展開の経緯をトレースすることによって、人類学がどのようなものとして自己成形してきたのか、その過程で排除・周辺化されてきた問題群 が何であるのかについて考察することを目的とする。今回のゼミの目的は、網羅的に学説史を検討することではない。今日人類学が直面している「窮境」の「起 源」と、これまでの「経路」を問うことによって、新たな展望を見いだすための手掛かりを模索するためである。そこでは人類学という学問(discipline)の内側だけに目を向けるわけ ではない。「人類学」というものが、「他の何か」との切断のうえに「囲まれた領域」を形成してきた経緯こそが、ここで焦点化される必要がある。その過程で 当然のことながら、「日本の人類学」そして(例えば)「ブラジルの人類学」というものが、「アメリカ人類学」とのどのような関係のなかで、どのようなかた ちで形成されてきたのかという問題が浮上してこざるをえない。

2.テキスト
 George W. Stocking,Jr.の Ethnographer’s Magic and Other Essays in the History of Anthropology (University of Wisconsin Press,1992) を読むことから始めたい。このテキスト自体は難解なものではない。したがって、「こういうことでした」という読み方をし ているかぎりは、余所の家の歴史を聞いているようなものである。それをどのように自分にとっての「問題」として読むことができるかが鍵である。それを読了 したのちは、そこで浮かび上がってきた論点に関連するいくつかの論文を読む。 尚、Stockingの論文は、彼が編集した History of Anthropologyシリーズ(Univ.of Wisconsin Pr. ) 所収の彼自身の論文を再録したものである。したがって、ゼミでは扱わなくても、このシリーズに収録されている論文については、「目配り」をすることを薦め る。
3.評価:日常的なパフォーマンス、レジュメの内容。  


1997年度(冬学期)

 メインテキスト:  Memory and Modernity: Popular Culture in Latin America. (Willliam Rowe and Vivian Schelling,Verso, 1991)  


1997年度(夏学期)

1.概要
  「人類学と芸術」というテーマについて、「と」が 意味しうる様々な節合のしかたに注目しつつ、学習し討論する。そのために「人類学」という学問と「芸術」という概念を歴史化する必要があることは言うまで もない。

   論点としては、第一に、人類学が対象として「文 化」を設定するにあたって、「文化」と「芸術」のあいだにどのような関係が前提されたのか。第二に、普遍的美意識に依拠すると標榜する「西洋近代芸術」の 観念・制度が形成されるにあたり、「非西洋の芸術」とのあいだにどのような関係が設定されたのか。第三に、「ポストモダン」等の名の下に喧伝される状況の 下で、「西洋」が「非西洋芸術」をどのようなかたちでappropriate しつつあるのか。第四に、西洋近代芸術界を対象とする人類学というものに、どのような意義がありうるか。
   本演習の目的は、第一に、「芸術」という領域が、 たんに人類学にとって複数の対象領域のひとつというのではなく、人類学が現在のような形態をとるに至ったプロセスにとって構成的な意味をもつものであった ことを理解すること。第二に、    その認識を通して、人類学のあらたな可能性について考えてみること。
  * 
’visual art’ ‘performative art’ をとも に視野に入れるが、当初はやや前者に重点が置かれることになるだろう。

  

2.テキスト
(A) メインテキスト(購入を義務づける)
1. Sally Price. Primitive Art in Civilized Places. The University of Chicago Press.1989
2. George E. Marcus and Fred R. Myers, eds., The Traffic in Culture. The University of California Press. 1995.

(B)サブテキスト(原本をもっていない者はコピーしておくように)
3. James Clifford. On Collecting Art and Culture. In The predicament of Culture. Harvard University Press. 1988.
4. James Clifford. Histories of the Tribal and the Modern. In The Predicament of Culture. Harvard University Press.1988.

3.形式:各回に指定された者が、レジュメ作成と論点についての報告を担当する。そのうえで ディスカッションを行なう。出席者全員が論文を予め読んでくる義務がある。

・各学期の終わりには、出席者全員が短いレポート(400字x20枚)を提出し、それにもとづいて総括的ディス カッションを行なう。

4.評価: 出席、レジュメにもとづく報告、学期末レポート、ディ スカッションにおける貢献 によって総合的に評価する。
 


1996年度(冬学期)

. 目的 本演習は、前学期と同様、「アメリカ社会論」(新宗教 運動論)という題名がついているが、アメリカ地域研究ではないし、新宗教運動論でもない。これは、文化人類学の演習であるが、引き続き、「文化研究」(Cultural Studies)との接点をさぐ ることに主眼がある。今学期は、メディア(主として映画)における文化表象を扱った下記のテキストを使用するが、目的は、個々の映画についての分析という よりも、文化理論における重要な論点(multiculturalism,etc.)について学ぶことにある。

. テキスト メインテキストは、Unthinking Eurocentrism : Multiculturalism and the Media Ella Shohat and Robert Stam, London and New York : Routledge, 1994である。

. 日程 冬学期の演習は、1024日に開講するが、既に指示してある通り、この日 には、夏学期のメインテキストのレポートを提出してもらい、それに基づいて総括的なディスカッションを行う。第2回からは、上記のテキストの輪読を開始す るので、開講に先立って、少なくとも3~4章(できるならば、もっと)は読んでおくように。 またテキストでは多くの映画が参照されているの で、機会があれば、それらを予め観ておくことも、テキスト読解の大きな助けとなるだろう。

.成績評価演習における日常的パフォーマンス(討論への参加・レ ジュメの作成)によって評価する。  


1996年度(夏学期)

.目的  本演習は、「アメリカ社会論」(新宗教運動論)という題名がついているが、この名 称は大学院設置にあたって便宜的に、しかも(私が海外にいたために)私の意図に反してつけられた名称である。したがって、アメリカ地域研究ではない(つい でに言えば「アメリカ」がアメリカ合衆国のみをさすと考えるのは誤りである)。また、新宗教運動論でもない。  では本演習は何か? これは文化人類学の演習である。しかし、今学期は、ややラテンアメリカに傾 斜したかたちで演習を計画している。但し、あくまでも人類学的問題を考えるフィールドとしてのラテンアメリカであり、ラテンアメリカ地域研究を目的とする ものではない。  では、どのような人類学的問題が議論の対象とされるのか? そこでは「文化」という概念自体が、 どのような位置に在る人々によって、どのような仕方で実際に使われているのか、それにもとづいてどのようにして「我々の文化」そして「彼らの文化」が構築 されているのか、そのことがどのような正負の効果を、どのような位置にある人々に対して、どのようなかたちでもっているのかを吟味することを目指す。

  ラテンアメリカ(に限らないが)において、この問題を考えるに当たって、まず三つの歴史的コンテ クストに注目する必要がある。それは、colonialism, nationalism, global capitalism である。それらは決して前後関係にあるのではなく、現 代においても複合的に存在している。そのなかで前述の人類学的問題を考えるために注意をはらうべき概念として、nativeness, indigenousness, tradition/modernity, national culture, folk culture, mass culture などなどが考えられる。また、分析のための概念として、discourse, ideology, hegemony, appropriation, hybridity などが重要性をもつことになるだろう。

.テキスト  夏学期のメインテキストは、Nestor Garcia Canclini. Hybrid Cultures: Strategies for Entering and Leaving Modernity, University of Minnesota Press,1995. それに先立って、問題の所在を多方面から確認 するために、最新のいくつかの雑誌論文を読むことにする。それはつぎのものである。

 (1) Reconstructing Tonto : Cultural Formations and American Indians in 1990s Television Fiction. Diana George and Susan Sanders. Cultural Studies 9(3): 427-452. 1995
(2) Culture, Genuine and Spurious: the Politics of Indianness in the Vaupes, Colombia. Jean E. Jackson. American Ethnologist 22(1):3-27. 1995
(3) Beyond Occidentalism : Toward Nonimperial Geohistorical Categories. Fernando Coronil. Cultural Anthropology 11(1):51-87.1996
(4) Between and Among the Boundaries of Culture : Bridging Text and Lived Experience in the Third Timespace. Smadar Lavie and Ted Swedenburg. Cultural Studies 10(1):154-179.1996  

.形式  各回で議論する文献については、全員が読んでくることが要求される。

「読んでくる」とは、内容を説明できること、疑問点を整理して提示できること、テキストの読解を前提 とした議論を展開できること、を意味する。また議論を展開するとは、ただおしゃべりすることではない。

  但し、効率を考え、各回にレジュメ作成者を指定する。レジュメ作成者は、規定の形式を整えたレ ジュメを事前に準備し、当日参加者全員にコピーを配布し、論文の概略を説明し、議論のための論点を整理する義務を負う。

(レジュメはA4タテ置き横書数枚程度とする;氏名・日付など当然の書式にも注意すること。レジュメは私的なメモではない)

また学期の最後のゼミ(9月末?)に先立て、演習で読ん だことを基礎として考 えた点についてのエッセイ(6000字程度、書式はレジュメに同じ)を提出することを全員に義務づける。(これもたんなる感想文ではなく、論文執筆のトレー ニングとして行う。)しかるのちに、最後のゼミで、それぞれのエッセイを俎上に乗せつつ総括的討論を行う。

.成績評価  演習における日常的パフォーマンス(議論への参加・ レジュメの作成)と学期末のエッセイによって成績評価する。


1995年度(冬学期)

 メインテキスト:Reading National Geographic. (Catherine A. Lutz and Jane L.Collins.,University of Chicago Press,1993)


1995年度(夏学期)

 メインテキストRereading Cultural Anthropology(George Marcus,ed., Duke University Press, 1992)


1994年度(冬学期)

 メインテキスト:Culture. (Chris Jenks, Routledge, 1993) 


1994年度(夏学期)

 メインテキスト:Transforming Modernity:Popular Culture in Mexico.

                  (Nestor Garcia Canaclini, University of Texas Press,1993)