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研究の概要

古環境の研究

　現在、地球の温暖化が心配されています。しかし一方で、地球は氷期・間氷期の周期的な変動を繰り返しており、その周期的な変化に従えばやがて氷期 がやってきて寒冷化する事が心配されます。

　私の研究室では岩石の磁性に注目して北大西洋の深層流循環の研究を行っていますが、鉱物学・地球化学・古生物学など他の様々な専門の研究室と協力して、 古環境を総合的に調べるプロジェクト研究を進めています。
　今、特に注目しているのが、200万から300万年前の海洋循環の変化です。300万年前には北半球には大陸氷床が無い温暖な気候であったと考えられていますが、 その後氷床が出現・発達して行く過程でグローバルな海洋循環にどのような変化が起きたのでしょうか。このことは、急速に氷床の崩壊が進んでいる現在、 今後の環境変動を予測するヒントを与えてくれるかもしれません。

最近の論文から
・Hayashi, T. et al., Latest Pliocene Northern Hemisphere glaciation amplified by intensified Atlantic meridional overturning circulation, Communications Earth & Environment, 2020
・Ohno M. et al., "Millennial-Scale Interaction between Ice Sheets and Ocean Circulation during Marine Isotope Stage 100", Frontier in Earth Science, 2016.
・Sato,M., M.Makio, T.Hayashi, M.Ohno, "Abrupt intensification of North Atlantic Deep Water formation at the Nordic Seas during the late Pliocene climate transition", Geophysical Research Letters, 2015.